| まず作品があり、その保管場所として美術館を建てたのがヨーロッパ型の美術館。それにくらべて、美術館の歴史も伝統もそして貴重な美術品も存在しなかったアメリカでは、美術館を建てるのは「物」のためではなく、「人」のためだった。つまり、大衆を教育し、文化度の高い国と国民をつくりあげるために、だれでもが気軽に行ける美術館を、民主的な教育の場として認識してきたのである。美術館教育が世界で一番発達している国がアメリカであるというのも、こういう歴史的背景をみれば納得できる。鑑賞者としての人を育てることは、いみじくも、芸術を育てることにつながることを彼らは認識していた。だからこそ、文化不毛といわれたこの国は、一世紀ほどの間に、世界の文化をリードする国へと成長したのだ。 |
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